このページの要点
- 法人書類は、法務局等が発行する公文書と、会社自身が作成する私文書に分かれ、必要な認証経路が異なります。
- 「Corporate Registry」「Certificate of Incumbency」「Certificate of Good Standing」等の英語名称だけで日本側書類を決めず、提出先が求める証明内容を確認します。
- 外務省へ直接アポスティーユ申請できるのは、外務省の現行要件を満たす公文書原本の場合のみです。会社作成書類は必要な場合に公証等の私文書認証経路を検討します。
- Certified Translation、Certified True Copy、公証、アポスティーユ等の要否と、当事務所の対応範囲(日本側工程・現在5か国)は提出先の指示から確認します。
対応する主な法人書類
Japanese Corporate Documents We Handle法人書類は、発行元・作成者によって公文書と会社作成書類に分かれます。まず書類の種類と提出先が求める証明内容を確認します。
登記事項証明書は、法務局が発行する法人登記の証明書で、履歴事項全部証明書(過去の変更履歴を含む)と現在事項全部証明書(現在効力のある事項のみ)等の種類があります。一般に「登記簿謄本」と呼ばれることがありますが、現在の証明書としては登記事項証明書が発行されています。商号・本店所在地・代表者・役員等の登記事項を示す書類として求められる場合があります。
定款は会社が保有する会社の基本規則を定めた書類です。海外側ではArticles of Incorporation、Articles of Association、Constitution等の名称が使われる場合がありますが、これらは各国制度上まったく同一の書類とは限りません。提出先がどの日本側書類を求めているかを確認します。株主名簿・役員名簿・取締役会議事録・株主総会議事録・委任状・会社作成の証明書等も会社作成書類として扱います。
Corporate Registry、Commercial Register Extract、Certificate of Incumbency、Certificate of Good Standing、Articles of Incorporation等の名称は、各国の制度によって意味・証明内容が一致しません。英語名称だけで日本側書類を決めず、法人の存在、現在の代表者、登記事項、株主・役員、署名権限、定款、税務上の状態等の何を証明するよう求められているかを確認します。
日本には、外国制度上のCertificate of Good Standingと同一名称・同一機能の全国一律の法人証明書があるわけではありません。提出先が法人の現存、現在の登記、解散していないこと、税務上の状態等のどの事項を確認したいのかによって、登記事項証明書、会社作成書類、税関係書類等を分けて確認します。
| 書類 | 発行者・作成者 | 区分 | 認証上の確認 | 注意事項 |
|---|---|---|---|---|
| 履歴事項全部証明書 | 法務局 | 公文書 | 対象となる原本は、外務省の要件を満たす場合に直接アポスティーユ申請可能 | 一般に「登記簿謄本」と呼ばれる書類に相当。原則として発行日から3か月以内の原本が外務省申請の対象 |
| 現在事項全部証明書 | 法務局 | 公文書 | 対象となる原本は、外務省の要件を満たす場合に直接アポスティーユ申請可能 | 履歴・現在のどちらを求められているか提出先の指定を確認 |
| 代表者事項証明書 | 法務局 | 公文書 | 対象となる原本は、外務省の要件を満たす場合に直接アポスティーユ申請可能 | 代表者に関する登記事項の証明。提出先の指定書類名を確認 |
| 法人印鑑証明書 | 法務局 | 公文書 | 対象となる原本は、外務省の要件を満たす場合に直接アポスティーユ申請可能 | 代表者印の証明。詳細は印鑑証明書のページ参照 |
| その他の登記事項証明書 | 法務局 | 公文書 | 対象となる原本は、外務省の要件を満たす場合に直接アポスティーユ申請可能 | 閉鎖事項証明書等。提出先の指定書類名を書面で確認 |
| 定款 | 会社 | 私文書 | 原本・写し・署名方法・提出先の指定を確認し、公証等の要否を判断 | 原始定款・現行定款・写しの別、翻訳・Certified True Copyの要否を確認 |
| 株主名簿・役員名簿 | 会社 | 私文書 | 原本・写し・署名方法・提出先の指定を確認し、公証等の要否を判断 | 作成者・署名方法・原本性を確認のうえ個別に判断 |
| 取締役会議事録・株主総会議事録 | 会社 | 私文書 | 原本・写し・署名方法・提出先の指定を確認し、公証等の要否を判断 | 署名者・作成日・原本性を確認のうえ個別に判断 |
| 委任状 | 会社・代表者 | 私文書 | 署名者・署名方法・提出先の指定を確認し、公証等の要否を判断 | 署名者の本人性・権限、公証人面前署名への協力が必要となる場合 |
| 会社作成の代表者証明書・在職証明書等 | 会社 | 私文書 | 原本・写し・署名方法・提出先の指定を確認し、公証等の要否を判断 | Certificate of Incumbency等の指定がある場合は様式・認証要件を確認 |
会社作成書類については、作成者、署名者、原本・写しの別、署名方法、提出先が要求する認証形式を確認したうえで、対応可否と必要工程をご案内します。また、日本には、海外でCertificate of Incumbencyと呼ばれる書類と一律に対応する単一の公的証明書はありません。提出先が求める記載事項を確認し、登記事項証明書で確認できる事項か、会社作成の証明書等が必要かを確認します。
公文書と会社作成書類
Public Documents vs. Private Documents法人書類の海外提出では、書類の発行元・作成者によって必要な認証方法が異なります。同じ「会社の書類」でも、法務局が発行する登記事項証明書と、会社が作成する定款・議事録では工程・費用が変わるため、最初にこの区分を確認します。
私文書の認証工程は、公証人認証、法務局長による公証人押印証明、外務省証明等を含む場合がありますが、ワンストップサービスの利用可否や提出先の指定により実際の工程は異なります。毎案件すべての工程を経るという意味ではありません。実際の工程は、文書の作成方法、原本・写しの別、署名者、署名認証の要否、提出先指定、Certified True Copyの要否により異なるため、提出先から示された書面(メール・チェックリスト・申請要領等)を確認したうえで、書類ごとに必要な工程を整理します。
公証人認証やアポスティーユは、会社作成書類に記載された株主構成、役員権限、取引内容、会社内部の事実等が真実であることを外国提出先に保証する制度ではありません。会社作成書類の内容は会社・作成者が確認・証明します。
オンライン請求と電子データ。会社・法人の登記事項証明書や法人印鑑証明書はオンラインで交付請求できますが、法務局の現行案内では、交付方法は郵送または窓口受取であり、電磁的な登記事項証明書そのものがオンライン交付される制度ではありません。また、登記情報提供サービスで取得できる登記情報はPDF保存・印刷できますが、証明文・公印等が付加されず、登記事項証明書ではありません。登記事項証明書を求められている場合に当然に代用できるものではなく、PDFを印刷したものが当然に外務省申請用の原本になるわけでもありません。
法人書類が求められることのある主な場面
Common Use Cases for Japanese Corporate Documents日本法人の登記事項証明書・定款等は、次のような場面で提出を求められる場合があります。いずれの場合も、各機関がアポスティーユを求めるとは限らず、必要な認証形式・書類構成は提出先の書面指示により異なります。
提出先の書面要件を確認します
Confirming the Receiving Party's Written Requirements法人案件では、提出先が求める書類名・証明内容・認証形式を先に確認します。銀行、法人登録機関、CSP、法律事務所等で要件が異なります。
- アポスティーユが常に必要とは限りません。
- Certified Translation(翻訳証明付き英訳)のみで足りる場合があります。
- 公証人認証やCertified True Copy(謄本認証)が求められる場合があります。
- 書類の発行時期を指定される場合があります。
- 原本の提出、または電子データ(PDF等)での提出が指定される場合があります。
- 銀行、外国の法人登録機関、CSP、現地法律事務所等の要件は、機関ごと・手続ごとに個別に異なります。
- 外国の法人登録機関・銀行・CSP等が、翻訳者・Certified Copyの認証者・公証人等について独自の資格要件を定めている場合があります。当事務所のCertification of Translation Accuracyのみでその外国側要件を満たすとは扱わず、提出先の最新案内を確認します。
- 提出先からのメール、チェックリスト、申請要領等の書面を確認したうえで、必要な工程を確定します。
提出先からメール、チェックリスト、申請案内等を受け取っている場合は、その内容をお知らせください。内容確認のため資料が必要な場合は、送付方法をご案内します。書面が未入手の場合は、提出先への確認事項の整理からお手伝いします。
提出先別の確認ポイント
Receiving-Authority Considerations提出国だけでは、必要な法人書類・認証・翻訳の方法は決まりません。現在の対応範囲である米国・英国・シンガポール・ニュージーランド・フィリピンの5か国いずれについても、提出先機関の現行の案内・指示を基準に、以下の点を確認します。
米国
United States · 提出先別に個別確認英国
United Kingdom · 提出先別に個別確認シンガポール
Singapore · 提出先別に個別確認ニュージーランド
New Zealand · 提出先別に個別確認フィリピン
Philippines · 提出先別に個別確認いずれの国についても、最終的な工程は、書類の性質、提出先機関の公開案内または依頼者から提示された書面上の指示、外務省・公証役場等の最新運用に基づき個別に確認します。国名のみを根拠に工程を確定することはありません。
法人書類の海外提出手続の流れ
Process for Overseas Use of Japanese Corporate Documents法人書類の海外提出は、提出先の要件確認から始めます。以下は典型的な進め方であり、案件により順序や各工程の要否は変わります。
※ 当事務所が対応するのは日本側工程です。外国の当局・銀行への申請手続そのものは行いません。所要日数は、法務局・公証役場・外務省・配送機関の処理状況により異なり、固定的な納期をお約束するものではありません。
法人登記書類・定款の料金体系
Pricing for Corporate Documents法務局発行の公文書と、定款・議事録等の会社作成書類では必要工程と料金が異なります。以下は主な料金区分で、正式な料金は書類確認のうえ個別にお見積りします。発行手数料・公証役場手数料・郵送料・国際配送等の実費は当事務所報酬とは区分して精算します。
法務局発行の公文書
会社作成の私文書
定款・議事録等の非定型文書の翻訳:分量に応じて¥6,600(税込)〜/400字で算定します。最低料金・分量基準があり、記載内容の複雑性により個別見積りとなる場合があります。
登記事項証明書・法人印鑑証明書の取得対応: +¥5,500(税込)/通+実費。書類種類、取得方法、法人印鑑証明書に必要な印鑑カードその他の条件を確認し、当事務所で対応可能な場合に限ります。
期限が近い場合は、書類の取得状況と必要な認証・翻訳工程を確認し、当事務所側で優先対応できる範囲をご案内します。法務局、公証役場、外務省、配送会社等の処理期間を含む完了時期は保証できません。
全料金表を見る →当事務所の対応範囲
What We Do and Do Not Handle当事務所は日本側書類の取得、認証、翻訳および発送を支援します。外国での法人登録、銀行口座開設、KYC審査その他の現地手続そのものは取り扱いません。
• 対応可能な範囲での書類取得支援(登記事項証明書・法人印鑑証明書等)
• 外務省アポスティーユ申請
• 公証役場等を経由する認証手続
• Certified Translation(翻訳証明付き英訳)
• 国内・海外発送
• 外国の法人登録機関への申請代理
• 銀行口座開設代行
• KYC・AML審査の承認保証
• 外国法に基づく法人文書の起案
• 外国法・税務・会計・金融・証券規制に関する助言
• 提出先による受理の保証
会社作成証明書、議事録、委任状等の内容上の事実・社内権限を証明する主体は会社です。当事務所が日本法人の内部事実を当事務所名義で証明するものではありません。当事務所は、必要事項の整理、法令上可能な範囲での日本側の書式支援、翻訳・認証工程に対応します。
法人書類に関するよくある質問
Frequently Asked Questions登記事項証明書と会社作成書類は認証方法が同じですか?
異なります。法務局発行の登記事項証明書・法人印鑑証明書等は公文書であり、外務省の現行要件(原則として発行日から3か月以内・発行機関・発行者の記載と公印・加工のない原本)を満たす場合に直接アポスティーユ申請の対象となり得ます。
一方、定款・議事録・株主名簿・委任状等の会社作成書類は私文書であり、外務省へ直接申請するのではなく、必要な場合に公証人認証等を経由する認証経路を検討します。どの工程が必要かは提出先の指示によります。
履歴事項全部証明書・現在事項全部証明書・代表者事項証明書はどう選びますか?
提出先が求める証明内容から選びます。履歴事項全部証明書は過去の変更履歴を含み、現在事項全部証明書は現在効力のある事項のみ、代表者事項証明書は代表者に関する事項を示します。
「Corporate Registry」「Commercial Register Extract」等の英語名称だけではどれが必要か確定しないため、提出先の案内・指示で記載範囲の指定を確認します。
定款にはどの書類・認証方法を使いますか?
会社保有の定款は、法務局発行の登記事項証明書と同じ公文書ではありません。提出先が「Articles of Incorporation」等を要求している場合でも、原始定款、変更後の現行定款、会社保管の写し、公証済み写し等のどれを求めているかを確認します。設立時に公証された定款があることだけで、現在保有する定款の写しをそのまま外務省へ直接アポスティーユ申請できるとは限りません。
会社形態・定款の作成方法によって公証の有無等が異なるため、原本・写し、証明方法、署名、翻訳・Certified True Copyの要否を個別に確認します。
法人印鑑証明書も取得・認証できますか?
対応しています。法人印鑑証明書は法務局が発行する公文書で、すべての法人案件で必須となるわけではなく、提出先が求める場合に確認します。取得対応は+¥5,500(税込)/通+実費で、印鑑カードその他の必要条件を確認し、当事務所で対応可能な場合に限ります。
詳細は印鑑証明書のページをご参照ください。複数書類の同時依頼は、書類ごとの工程を確認してまとめてお見積りします。
Certificate of IncumbencyやCertificate of Good Standingを求められた場合はどうしますか?
日本には、海外でCertificate of IncumbencyやCertificate of Good Standingと呼ばれる書類と一律に対応する単一の公的証明書はありません。提出先が、法人の現存、現在の登記、現在の代表者・役員、署名権限、解散していないこと、税務上の状態等のどの事項を確認したいのかを確認し、登記事項証明書で確認できる事項か、会社作成の証明書・税関係書類等が必要かを確認します。
外国法に基づく書類の起案や法的効力の判断は対応範囲外です。
登記事項証明書をオンラインで取得したPDFでも使えますか?
区別が必要です。会社・法人の登記事項証明書や法人印鑑証明書はオンラインで交付請求できますが、法務局の現行案内では交付方法は郵送または窓口受取であり、電磁的な証明書そのものがオンライン交付される制度ではありません。登記情報提供サービスで取得できる登記情報はPDF保存・印刷できますが、証明文・公印等が付加されず、登記事項証明書ではありません。
PDFを印刷したものが当然に外務省申請用の原本になるわけではなく、提出先が電子データでの提出を認めるかも別に確認します。
定款・議事録等の翻訳・私文書認証の料金はどのようになりますか?
定款・議事録等の非定型文書の翻訳は、分量に応じて¥6,600(税込)〜/400字で算定します。公証・アポスティーユ等の認証工程のみは¥66,000〜、Certified Translationと認証工程の双方は¥121,000〜が起点で、内容確認のうえ個別にお見積りします。
なお、Certified Translationは翻訳内容のCertificationであり、原本証明・Certified True Copy・写しの認証とは別のものです。Certified True Copyを要求されている場合は、誰がどの方法で写しを認証する必要があるかを別途確認します。
法人書類の書面確認・見積りはどのように依頼すればよいですか?
初回のお問い合わせでは、提出国、提出先、書類名、希望期限、既に書類を取得済みか、の5点をお知らせください。
内容確認後、必要に応じて法人名、提出先が求める証明内容、法務局発行書類か会社作成書類か、原本・写し・電子データの別、現行版か、署名者・会社印、Certified True Copy・公証・アポスティーユ・翻訳の指定等を確認します。書面での内容確認・お見積りはEmailを推奨しています。海外からの初回のお問い合わせにはWhatsAppを、日本国内にお住まいの方はLINEもご利用いただけます。