米国・英国・シンガポール・ニュージーランド・フィリピン向け認証・翻訳証明の確認ポイント
Apostille & Certified Translation Guidance for 5 Countries
アポスティーユ、Certified Translation(翻訳証明付き英訳)、公証等の必要性は、提出国だけでなく、提出先機関、手続、書類の種類によって異なります。
当事務所では、米国、英国、シンガポール、ニュージーランド、フィリピンへ提出する、日本国内で発行された書類を主な対応対象としています。
現地の宣誓翻訳者資格や指定翻訳者制度、在日大使館・領事館による認証等が必要となる案件は、原則として対応範囲外です。また、外国政府・州政府・外国の行政機関が発行した書類について、外国側でアポスティーユ等を取得する業務は取り扱っていません。
日本の在外公館が発行した書類は、本ガイドの一般的な案内の対象外とし、書類の種類・発行機関・提出先に応じて個別に確認します。
5か国の確認ポイント
Country Comparison認証・翻訳の要件は提出先ごとに異なります。下表は主な提出先の例と確認の観点の整理であり、国単位で工程が決まるものではありません。実際の工程は、提出先機関と書類の種類を確認して判断します。
| 国 | 主な提出先の例 | 認証で確認する事項 | 翻訳・提出形式 |
|---|---|---|---|
| 米国 | USCIS、州機関、裁判所、大学、銀行、雇用主等 | アポスティーユ・公証の要否を提出先・書類別に確認 | USCISへの外国語文書は完全な英訳と翻訳者のCertificationが必要。他の提出先は個別に確認 |
| 英国 | UKVI、Home Office、大学、Companies House等 | アポスティーユ・公証の要否を提出先・書類別に確認 | visa application等でcertified translationが求められる場合あり。記載事項は申請カテゴリー別に確認 |
| シンガポール | ICA、MOM、ACRA、銀行、教育機関等 | アポスティーユ・公証・認証済み翻訳の要否を提出先・書類別に確認 | ICAのimmigration facilitiesではofficial translationの案内あり。他の提出先は別の要件となり得る |
| ニュージーランド | Immigration New Zealand、NZQA、DIA、教育機関等 | アポスティーユ・公証の要否を提出先・書類別に確認 | Immigration New Zealandは申請種別により英訳・certified translationの要件が異なる |
| フィリピン | PSA、Bureau of Immigration、SEC、裁判所、地方自治体等 | アポスティーユ・公証の要否を提出先・書類別に確認 | 翻訳・認証の形式は実際の提出先・現地専門家の指示を確認 |
書類別の確認事項は対応書類一覧からご確認ください。
認証・翻訳工程を決める確認軸
How We Determine the Required Route提出国だけから工程を選ぶのではなく、実際の提出先、書類の発行主体・形式、提出先が要求する認証、翻訳・提出形式を確認して案件ごとに工程を組み立てます。
- 同一国でも、提出先機関・書類種別・担当部署により運用が異なる場合があります。必要に応じて、事前に提出先機関へ確認することを推奨します。
- 公証役場経由の認証工程を併用する場合は、所要日数・実費が増加します。シンガポールではICA・ACRA等でnotary/notarised translation等を求められる場面があり、ニュージーランド・フィリピンでは提出先機関・書類種別・用途により要否が分かれます。
- 会社・雇用主等が作成する私文書は、提出先が日本側の認証を求める場合に公証人認証等の経路を検討するため、米国・英国向けでも案件によって公証役場経由となる場合があります。
- 東京都を含む対象地域の公証役場では、申請者の要請により、公証人認証・法務局の公証人押印証明・外務省のアポスティーユをまとめて取得できるワンストップサービスを利用できる場合があります。すべての地域・すべての公証役場・すべての書類で自動的に利用できるとは限らないため、案件ごとに公証役場および外務省の最新案内を確認します。
- お問い合わせ時に、提出国、提出先、書類名、希望期限、既に書類を取得済みか、の5点をお知らせください。内容を確認し、当事務所で対応可能な工程をご案内します。
米国
United States米国向けでは、USCIS、州機関、裁判所、大学、銀行、雇用主等、提出先によって翻訳・認証要件が異なります。USCISへ外国語文書を提出する場合は、完全な英訳と、翻訳が完全かつ正確であり翻訳者が翻訳能力を有する旨のCertificationが必要です。州機関、裁判所、大学、銀行、雇用主等の要件は別途確認します。(参考:USCIS Policy Manual「Foreign Language Documents and Translations」)
提出例
当事務所のCertification of Translation Accuracyの内容と対応範囲は、Certified Translationの詳細ページをご確認ください。提出先が指定する文言・資格・公証等がある場合はその要件を優先します。
- USCIS向けでは部分的翻訳・要約翻訳ではなく全文翻訳が求められるのが一般的です(押印・署名・スタンプの説明も含む)。
- 申請者本人や近親者による翻訳は、公正性・独立性の観点から懸念される場合があるため、第三者翻訳者による翻訳を推奨します。
- 名前のローマ字表記はパスポート表記と一致させることが重要であり、ミドルネームや旧姓の扱いに特に注意。
- 州・提出先機関により追加要件がある場合があります。提出先の最新要件を事前確認してください。
英国
United Kingdom英国向けでは、UKVI、Home Office、大学、Companies House、裁判所、金融機関等、提出先と手続によって翻訳要件が異なります。英国のvisa application等では、英語またはウェールズ語以外の書類についてcertified translationが求められる場合があります。必要なCertificationの記載事項・署名・連絡先等は、申請カテゴリーと提出先の最新案内を確認します。大学、裁判所、Companies House、金融機関等はそれぞれの提出要件を確認します。(参考:GOV.UK「Guide to supporting documents: visiting the UK」)
提出例
当事務所のCertification of Translation Accuracyの内容と対応範囲は、Certified Translationの詳細ページをご確認ください。提出先が指定する文言・資格・公証等がある場合はその要件を優先します。
- Home Officeは翻訳に対し"independently verifiable"(独立して検証可能)であることを求めています。連絡先の明記が重要です。
- 申請者本人・家族ではなく、独立して確認可能な第三者翻訳者による翻訳が望ましいです。
- Home Office / UKVI向けでは、提出先案内でfull translation(全文翻訳)を求める案内が示される場合があります。銀行明細等の翻訳範囲についても、提出先案内を確認します。
- 英国提出書類では、提出先・用途に応じて英国式の表記・日付形式・用語選択を確認します。
シンガポール
Singaporeシンガポール向けでは、ICA、MOM、ACRA、銀行、教育機関等、提出先によって非英語書類の翻訳・認証方法が異なります。ICAのimmigration facilitiesでは、英語以外の書類についてoriginal documentとofficial translationを求める案内があり、翻訳方法・attestation/notarizationの認められる方法が示されています。MOM、ACRA、銀行、CSP、教育機関等では別の要件となり得るため、それぞれの提出先を確認します。(参考:ICA公式Q&A「英語以外の書類の翻訳」)
提出例
当事務所のCertification of Translation Accuracyの内容と対応範囲は、Certified Translationの詳細ページをご確認ください。提出先が指定する文言・資格・公証等がある場合はその要件を優先します。
- 2021年9月16日のハーグ・アポスティーユ条約発効により、外務省アポスティーユが利用される場合があります。提出先の指定に応じて認証工程を確認します。
- シンガポール向けの法人・金融関連書類では、提出書類に応じた英語表現、用語の確認、文体の一貫性が重視される場合があります。
- ACRAの法人登録関連では、原文全体を反映した翻訳と詳細な押印・記載の全項目翻訳が求められる場合があります。
- 書類の不備による差戻しを避けるため、提出先案内に沿った翻訳・認証形式の確認と記載内容の確認が重要です。
ニュージーランド
New Zealandニュージーランド向けでは、Immigration New Zealand、NZQA、Department of Internal Affairs、教育機関等、提出先と申請種別によって翻訳要件が異なります。
Immigration New Zealandのビザ申請では、Residence関係の補足書類は英語で作成されているか、certified English translationの添付が必要とされています。Visitor関係の申請では、英語以外の補足書類に全文英訳が必要ですが、2025年5月26日以降、医療証明書・警察証明書を除く補足書類の英訳は、一律にcertified translationである必要はない運用が示されています。ただし、申請者本人、家族、当該申請を支援するimmigration adviserは翻訳者になることができず、翻訳者の氏名・住所・電話番号・言語能力を示す資格や経験等の情報の記載が求められます。医療証明書・警察証明書は、英語で作成されていない場合はcertified English translationが必要です。これはImmigration New Zealandのビザ申請に関する運用であり、NZQA・Department of Internal Affairs・大学・雇用主等には別の要件があり得ます。(参考:Immigration New Zealand「英訳書類の提出要件」)
提出例
当事務所のCertification of Translation Accuracyの内容と対応範囲は、Certified Translationの詳細ページをご確認ください。提出先が指定する文言・資格・公証等がある場合はその要件を優先します。
- Immigration New Zealand、Department of Internal Affairs、New Zealand Qualifications Authorityなど、提出先により翻訳証明の記載事項が異なる場合がある。
- 資格評価・留学用途では、パスポート名、学校記録、翻訳文中の氏名・学位名・成績表記の整合性が重視される。
- 翻訳者の氏名、連絡先、証明日、翻訳能力に関する証明などを求める提出先があるため、申請前に案内文を確認する。
- 翻訳文そのものに公証・アポスティーユが必要な場合は、通常よりも準備期間と実費が増えることがある。
フィリピン
Philippinesフィリピン向けでは、PSA、Bureau of Immigration、裁判所、SEC、地方自治体、教育機関等、提出先によって必要な認証・翻訳工程が異なります。日本の公文書について提出先がアポスティーユを求める場合は外務省アポスティーユを確認します。翻訳、会社作成書類、宣誓書等について公証・認証を求められるかは、実際の提出先および現地専門家からの指示を確認します。
提出例
当事務所のCertification of Translation Accuracyの内容と対応範囲は、Certified Translationの詳細ページをご確認ください。提出先が指定する文言・資格・公証等がある場合はその要件を優先します。
- 2019年5月14日のハーグ・アポスティーユ条約発効により、外務省アポスティーユが利用される場合があります。提出先の指定に応じて認証工程を確認します。
- 国際結婚手続きでは「婚姻要件具備証明書」が求められる場合があります。どの発行元の書類にどの認証を付すかは、提出先の指示を確認します。
- 提出先により、発行後一定期間内の書類を求められる場合があります。提出先の案内に応じたタイミング管理が重要です。
- 書類量が多くなりやすいケース(戸籍の複数世代分、複数書類の同時提出等)があるため、準備期間の確認が重要です。
アポスティーユとは
What is an Apostilleアポスティーユは、ハーグ条約に基づき、日本の公文書に付された公印・署名等について外務省が行う証明です。提出先がアポスティーユを求める場合に利用します。書類内容そのものや、提出先での受理を保証するものではありません。戸籍謄本・住民票・登記事項証明書等の対象となる公文書は、外務省へ直接アポスティーユを申請できる場合があります。会社・雇用主等が作成した私文書について、提出先が日本側の認証を要求する場合は、公証人認証等を含む私文書認証経路を検討します。必要な工程は文書形式、提出先、公証役場の運用、ワンストップサービスの利用可否等によって異なります。
- アポスティーユ自体に一律の法律上の有効期限はありません。外務省の証明は、対象文書の公印・署名等に関する証明です。
- 外務省への申請時には、日本の公文書原本は原則として発行後3か月以内であることが求められます。これは提出先が定める書類の有効期間とは別です。
- 提出先機関が原本の発行時期・提出時期の基準を別途指定する場合があります。その場合は、提出先の基準に合わせて取得・提出時期を調整します。
- 米国・英国向け:提出先がアポスティーユを求める場合は、公文書のアポスティーユ取得とCertified Translationの組み合わせを確認します。移民・ビザ申請等では提出先案内によりCertified Translationのみで足りる場合もあるため、アポスティーユの要否を個別に確認します。
- シンガポール・ニュージーランド・フィリピン向け:提出先により公証役場経由の認証済み翻訳等が求められる場合があります。
- 同一国でも提出先機関・書類種別・用途で要否が分かれます。詳細は上記認証・翻訳工程を決める確認軸および各国別セクションをご確認ください。
アポスティーユの対象書類
Commonly Handled Documents必要となる工程は、書類の種類と提出先によって異なります。外務省への申請手続き自体(郵送・窓口の申請方法、申請書・委任状、費用の区分)の詳細は、外務省アポスティーユ申請ガイドで解説しています。書類別の確認事項は対応書類一覧からご確認ください。
提出先要件を確認する流れ
Receiving-Authority Review Processよくある質問
Frequently Asked Questions国が分かれば必要書類・認証方法は決まりますか?
いいえ。同じ国でも、実際に書類を受け取る提出先機関・部署・手続によって要件が異なります。まず提出先が何を証明するよう求めているかを確認し、該当する日本側書類と認証・翻訳工程を特定します。国名だけで工程を確定することはありません。
ハーグ条約締約国ならアポスティーユは必ず必要ですか?
いいえ。ハーグ条約締約国への提出であることだけでは、アポスティーユが必要かどうかは決まりません。提出先が要求する認証を先に確認します。また、外務省へ直接アポスティーユを申請できるのは対象となる公文書の場合のみです。
Certified Translationは5か国すべてで同じ要件ですか?
いいえ。たとえば、USCISへの外国語文書には完全な英訳と翻訳者のCertificationが必要とされ、英国のvisa applicationでは翻訳証明の記載事項が案内され、シンガポールICAのimmigration facilitiesではofficial translationの方法が示され、Immigration New Zealandでは申請種別により要件が異なります。いずれも当該機関・手続に関する要件であり、実際の提出先の最新案内を確認します。
公文書と私文書では認証方法が違いますか?
異なります。対象となる公文書は、外務省の現行要件を満たす原本の場合に外務省へ直接アポスティーユを申請できる場合があります。会社・雇用主等が作成する私文書は、提出先が日本側の認証を求める場合に、公証人認証等を含む私文書認証経路を検討します。
同じ書類を複数の国へ提出できますか?
提出先ごとに要件を別々に確認します。アポスティーユの要否、翻訳・Certificationの形式、必要部数、原本・コピー・アップロード等の提出形式が提出先によって異なり得るため、同じ書類でも提出先の数だけ確認が必要です。
アポスティーユや書類に有効期限はありますか?
アポスティーユ自体に一律の法律上の有効期限はありません。外務省へ直接証明申請する対象公文書は、原則として発行後3か月以内の原本等の現行要件を確認します。これとは別に、提出先機関が書類の発行時期・提出時期の基準を定める場合があるため、提出先の指定に合わせて取得・提出時期を調整します。
対応5か国以外への提出も依頼できますか?
現在の対応範囲は米国・英国・シンガポール・ニュージーランド・フィリピンの5か国です。その他の国への提出は原則として対応範囲外です。外国側の宣誓翻訳者制度・指定翻訳者制度への対応、在外大使館・領事館による認証、外国法上の判断はお受けできません。
問い合わせ時に何を伝えればよいですか?
提出国、提出先、書類名、希望期限、既に書類を取得済みか、の5点をお知らせください。書類名が分からない場合は、提出先から示されている要求内容をそのままお知らせいただければ確認します。初回段階で戸籍、税情報、印鑑証明、犯罪歴等の機微な内容を含む画像を一律に送付する必要はありません。
海外提出用の日本書類についてお問い合わせください
提出国・提出先・書類名・希望期限・既に書類を取得済みかをお知らせください。提出国だけでは必要な工程を判断できないため、実際の提出先機関・部署・手続名が分かる場合は併せてお知らせください。書類名が分からない場合は、提出先から示された要求内容を文章でお知らせください。初回段階で機微な書類画像を一律に送付いただく必要はありません。
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本サイトの情報は、執筆時点で把握している実務上の運用を可能な限り正確に反映しています。ただし、提出先機関の要件・判断・運用は予告なく変更される場合があります。当事務所は、提出先機関の判断または審査結果について責任を負いません。提出前に、関係機関の最新要件をご確認ください。
業務範囲:当事務所の業務は、行政書士として適法に取り扱うことのできる範囲の、日本側の書類作成、アポスティーユ対応、Certified Translation(行政書士の翻訳証明付き英訳)およびこれらに関連する行政手続に限られます。外国法に関する助言、提出先機関が書類を受理するか否かの判断、訴訟その他弁護士に限られる業務の代理は行いません。法的判断が必要な場合は、適切な資格を有する専門家への相談をご案内することがあります。