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FAQ — Frequently Asked Questions

よくある質問

アポスティーユ・Certified Translationに関する基礎知識33項目

本ページはアポスティーユ・Certified Translation・公証役場手続き等、国際書類認証制度に関する一般的な解説を目的としています。アポスティーユジャパン(2026年6月開業)は、米国・英国・シンガポール・香港・フィリピンの英語圏5か国への書類提出に完全特化した事務所として準備を進めています。当事務所では5か国以外の認証業務は原則として取り扱いません。具体的な手続き・料金等の詳細情報は、開業後に順次公開予定です。
Q.
アポスティーユとは何ですか?
A.

アポスティーユとは、1961年のハーグ条約(外国公文書の認証を不要とする条約)に基づき、日本の公文書を外国で使用する際に外務省が付与する認証です。卒業証明書、戸籍謄本、登記事項証明書などの公文書に付与され、ハーグ条約加盟国(125か国以上)であれば、その国の領事認証なしに書類が受理されます。

Q.
アポスティーユと公印確認・領事認証の違いは何ですか?
A.

提出先国がハーグ条約加盟国か非加盟国かで手続きが異なります。ハーグ条約加盟国向けの書類には外務省でアポスティーユを取得します。非加盟国向けの書類には、外務省で公印確認を取得したうえで、さらに駐日大使館・領事館での領事認証が必要です。領事認証は大使館・領事館ごとに要件・費用・所要日数が異なります。

Q.
アポスティーユに有効期限はありますか?
A.

アポスティーユ自体に法的な有効期限はありません。ただし提出先機関が「発行から3か月以内」「発行から6か月以内」等の独自基準を設けているケースが多くあります。戸籍謄本等の原本書類自体にも発行日からの有効期間を設定する提出先が多いため、書類の発行日とアポスティーユ取得日の双方に注意が必要です。

Q.
外務省のアポスティーユ・公印確認の申請手数料はいくらですか?
A.

外務省へのアポスティーユ・公印確認の申請手数料は無料です(窓口申請・郵送申請ともに)。ただし、公証役場の認証手数料(私署証書の認証:委任状は4,000円、金額記載のない書類は6,500円、契約書等は最大11,000円。外国文の場合は6,000円加算)、法務局の公証人押印証明手数料(1通1,700円)、大使館認証手数料(各国規定)、郵送料等は別途実費が発生します。公証役場の手数料は2025年10月1日に改正されていますので、最新の料金は日本公証人連合会公式サイトをご確認ください。

Q.
大使館認証(領事認証)が必要なケースはどのような場合ですか?
A.

提出先国がハーグ条約非加盟国である場合に大使館認証(領事認証)が必要です。代表的な非加盟国には中国、ベトナム、タイ、UAE、カタール、サウジアラビア等があります。非加盟国向けの書類は、外務省で公印確認を取得したうえで、日本国内にある当該国の大使館・領事館で領事認証を受ける必要があります。

Q.
公証役場のワンストップサービスとは何ですか?
A.

ワンストップサービスとは、特定の都道府県の公証役場で、公証人認証・法務局の公証人押印証明・外務省のアポスティーユをまとめて申請できる制度です。複数機関への往訪が不要になります。対応地域は北海道(札幌法務局管区内)・宮城県・東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・静岡県・愛知県・大阪府・福岡県等です。書類の種類や公証役場によって対応が異なる場合があります。

Q.
戸籍謄本・住民票にアポスティーユは取れますか?
A.

戸籍謄本・住民票は公文書のため、外務省で直接アポスティーユを取得できます。市区町村役場で発行された原本にそのまま外務省のアポスティーユを付与します。なお、提出先国の要件により、日本語から相手国の公用語への翻訳文の添付が求められる場合があります。翻訳はアポスティーユ取得後に添付するのが原則です。

Q.
私立大学の卒業証明書にアポスティーユは取れますか?
A.

私立大学および法人化された国公立大学が発行する卒業証明書・成績証明書には、外務省で直接アポスティーユを取得できません(公文書扱いとならないため)。次の3段階の手続きが必要です。①公証役場での公証人認証、②法務局での公証人押印証明、③外務省でのアポスティーユ申請。法人化していない国公立大学の一部・公立高校・公立中学・小学校が発行する証明書は公文書として外務省に直接申請できます。

Q.
在職証明書・委任状などの私文書にも認証は取れますか?
A.

はい、取得可能です。ただし私文書のため、外務省へ直接申請することはできません。まず公証役場で公証人認証を受け、次に法務局で公証人押印証明を取得し、最後に外務省でアポスティーユ(または公印確認)を申請する3段階の手続きが必要です。在職証明書、委任状、宣誓書、契約書、翻訳証明書等がこれに該当します。

Q.
日本語の書類に翻訳は必要ですか?翻訳してから認証できますか?
A.

外務省でのアポスティーユ取得自体に翻訳は不要です。ただし提出先機関が翻訳の添付を求める場合があります。重要な注意点として、原則として書類へのアポスティーユを先に取得し、翻訳はその後に添付します。翻訳を先に添付してからアポスティーユを取ろうとすると受理されないケースがあります(特にドイツ向け書類等)。翻訳文自体は私文書扱いのため、翻訳にもアポスティーユが必要な場合は別途公証役場での認証が必要です。

Q.
登記事項証明書(商業登記・不動産登記)の認証はできますか?
A.

法務局が発行する登記事項証明書(全部事項証明書)は公文書ですが、アポスティーユ申請の前に、法務局長による登記官の公印証明(印鑑証明)を別途取得してから外務省に申請する必要があります。登記官印のみでは外務省で受理されません。法務局内の特定窓口での取得が必要です。

Q.
書類に翻訳を付けた後にアポスティーユを申請しようとしたら断られました。なぜですか?
A.

翻訳文を書類に添付・綴じ込みした状態でアポスティーユを申請すると、翻訳が私文書扱いとなり、書類全体が原本と異なる状態とみなされるため受理されないケースがあります。原則として書類へのアポスティーユを先に取得し、翻訳はアポスティーユ取得後に添付するのが正しい順序です。特にドイツ大使館のFAQでも「書類に翻訳を添付した後ではアポスティーユの取得はできません」と明記されています。

Q.
書類のホチキスを外してもいいですか?
A.

絶対に外さないでください。戸籍謄本・登記簿謄本等、複数枚がホチキス留めされた書類は「一体性」を持って一通の証明書として機能しています。ホチキスを外すと証明書の一体性が失われ、書類が無効となります。役所での再発行が必要になります。

Q.
国際結婚の手続きでアポスティーユは必要ですか?
A.

海外で婚姻手続きをする場合、戸籍謄本・婚姻要件具備証明書(独身証明書)等にアポスティーユ(ハーグ条約加盟国)または公印確認+領事認証(非加盟国)が必要となるケースが多くあります。お相手の国籍国の要件は各国の役所・大使館によって異なるため、提出先の要件を必ず事前に確認してください。

Q.
海外留学・大学院進学の際にアポスティーユは必要ですか?
A.

海外の大学・大学院への出願時に、卒業証明書・成績証明書・無犯罪証明書等にアポスティーユまたは大使館認証の添付を求められる場合があります。特に欧州の大学では多くのケースでアポスティーユが必要です。私立大学の証明書は私文書扱いのため、公証役場・法務局を経由する3段階の手続きが必要になります。

Q.
海外在住ですが、日本のアポスティーユを取得できますか?
A.

外務省は海外からの郵送申請を受け付けていません。海外在住の方は、日本国内の代理人(親族・行政書士等)を通じて申請する必要があります。書類の取得自体も、戸籍謄本等は本人または直系親族による請求が必要なため、日本国内の親族の協力または行政書士への代行依頼が一般的です。

Q.
行政書士にアポスティーユ・大使館認証の代行を依頼できる法的根拠は何ですか?
A.

行政書士は行政書士法第1条の2に基づき、官公署へ提出する書類の作成およびその提出手続の代理を業とする国家資格者です。外務省へのアポスティーユ・公印確認申請、公証役場での認証手続、法務局での公証人押印証明、各国大使館での領事認証等の提出書類作成・手続代理は、いずれも行政書士の業務範囲に含まれます。行政書士は官公署提出書類の専門家として、一連の認証手続を一括して代行することが可能です。

Q.
提出先の国がハーグ条約加盟国かどうか、どのように確認できますか?
A.

外務省の公式ウェブサイトで、ハーグ条約加盟国の最新リストが公開されています。2026年時点で125か国以上が加盟しています。主な加盟国は米国、英国、フランス、ドイツ、韓国、オーストラリア等です。主な非加盟国は中国、ベトナム、タイ、UAE、カタール、サウジアラビア等です。加盟状況は随時更新されるため、手続き前に必ず外務省公式サイトで最新情報を確認してください。

Q.
コピーにアポスティーユは取れますか?原本が必要ですか?
A.

アポスティーユは原則として原本(発行機関から発行されたもの)に付与されます。コピーにそのままアポスティーユを付与することはできません。原本を手元に残したい場合は、公証役場でコピーの認証(謄本認証)を取得してから外務省に申請する方法があります。この場合、コピーに対する公証人認証が付与された状態でアポスティーユを取得することになります。

Q.
パスポートと書類の名前表記が違います。問題になりますか?
A.

海外提出書類では、パスポートと書類の名前表記の不一致は受理拒否・再提出の主要原因のひとつです。特にミドルネームの有無、ローマ字表記の揺れ(OH/O、TSU/TU等)、旧姓と現姓の混在が問題となりやすいケースです。提出先機関は書類間の名前表記の完全一致を求めることがほとんどです。翻訳の際は必ずパスポートの表記に合わせて指定することが重要です。

Q.
翻訳は誰が行ってもよいのですか?指定翻訳者の制度はありますか?
A.

日本には「宣誓翻訳者」「公認翻訳者」等の国家資格は存在しません。日本国内でのアポスティーユ・公印確認の手続きにおいて、翻訳者の資格要件はなく、原則として誰が翻訳しても構いません。

アポスティーユジャパンが対応予定の英語圏5か国(米国・英国・シンガポール・香港・フィリピン)は、いずれも翻訳者の国家資格を問わない点で共通していますが、提出先機関が要求する翻訳証明の「形式」は国ごとに異なります。開業後は、国別の要件に応じた2つの対応ルートを使い分ける体制を予定しています。

【ルートA】行政書士のCertification of Translation Accuracyで完結する国
米国(USCIS)・英国(UKVI)向け:翻訳に行政書士作成の翻訳証明書(Certification of Translation Accuracy)を添付し、原本のアポスティーユとともに提出します。米国USCISは連邦規則(8 CFR §103.2(b)(3))に基づき、翻訳者が「英語と原文言語の双方に堪能であり、翻訳が完全かつ正確である」と宣誓した証明書を要求します。英国UKVIも、翻訳者による真正性宣言・日付・署名・連絡先の記載があれば受理されます。いずれも公証役場での認証は不要です。

【ルートB】日本の公証役場による翻訳者宣誓認証を経由する国
シンガポール(ICA)・香港(Immigration Department)・フィリピン(大使館/DFA等)向け:これらの国では、提出先機関が翻訳文書に対して発行国(日本)の公証人(Notary Public)の関与を求めるため、①行政書士による英訳およびCertification of Translation Accuracyの作成、②日本の公証役場での翻訳者宣誓認証、③法務局での公証人押印証明、④外務省のアポスティーユ、という4工程を経由します。シンガポールICAは公式に「発行国のNotary Publicが作成・認証した翻訳」を受理対象として明記しており、この工程を踏むことで提出要件を満たします。

開業後は両ルートに対応し、翻訳から公証役場・法務局・外務省までの一連の手続を一括対応する予定です。どちらのルートが必要かは提出先機関により異なります。

一方、ドイツ・フランス・スペイン・イタリア・ブラジル・ベトナム等では、相手国の宣誓翻訳者(Sworn Translator)による翻訳、または在日大使館の翻訳認証が必要となります。これらの国への提出書類は、当事務所の対応範囲外となります。専門の他事務所にご相談ください。

当事務所が対応する5か国別の詳細要件は英語圏5か国・対応ガイドをご参照ください。

Q.
日本に米国のようなノータリーパブリック制度はありますか?銀行や郵便局で公証を受けられますか?
A.

日本には米国型のNotary Public制度は存在しません。米国では州が任命するNotary Publicが全米で数十万人おり、銀行・UPS店舗・文具店等で即日対応可能ですが、日本の制度はこれとは根本的に異なります。

日本の公証制度は、英国・シンガポール・香港・フィリピンと同じcivil-law型(大陸法型)であり、法務大臣が任命する「公証人(Notary/Notary Public)」が、全国約300か所の公証役場のみで公証業務を行います。公証人は元裁判官・元検察官等の法曹資格者が中心で、全国で約500名のみです。銀行・郵便局・文具店等での公証は日本では不可能です。

米国型と日本型の構造比較

米国型Notary Public
州が任命、短期間の研修または試験のみ/全米で数十万人/銀行・UPS店舗・文具店等に多数配置/署名認証(acknowledgment/jurat)が中心/アポスティーユ経路:州Notary → 州務長官 → 連邦国務省

日本の公証人(Notary)
法務大臣任命、元裁判官・元検察官等の法曹資格者が中心/全国約500名/全国約300か所の公証役場のみ/私署証書認証・宣誓認証・事実実験公正証書・遺言公正証書等の幅広い業務/アポスティーユ経路:公証役場 → 法務局 → 外務省(ワンストップ対応地域あり)

海外の顧客が特に誤解しやすい点として、以下の3点があります。

(1)日本のどこでNotaryを見つけられるか
答えは「全国の公証役場でのみ可能」です。銀行・郵便局・ショッピングモール等では受けられません。開業後は、公証役場への同行・代行対応を予定しており、お客様が公証役場に直接出向く必要のない運用を整えてまいります。

(2)なぜ3段階認証が必要なのか
私文書にアポスティーユを取得するには、公証役場での公証人認証→法務局での公証人押印証明→外務省のアポスティーユという3段階が必要です。これは米国の州Notary → 州務長官 → 連邦国務省という流れと構造的に類似しています。米国でも最終的に連邦政府のアポスティーユを得るには、州Notaryの認証から順に積み上げる必要があり、この点は日米共通の設計思想です。

(3)シンガポール・香港・フィリピン向けの翻訳証明で日本の公証役場を経由する理由
これらの国が日本と同じcivil-law型公証制度を持ち、相互に公証人を信頼する枠組みが確立しているためです。シンガポールICAは公式に「発行国のNotary Publicが作成・認証した翻訳」を受理対象として明記しており、日本の公証人による認証を経由した翻訳は、シンガポール国内で公証された翻訳と同等の効力を持ちます。

開業後は、公証役場・法務局・外務省の一連の手続を一括対応する予定です。米国型Notaryのような即日対応の気軽さはない代わりに、日本の公証人による認証はcivil-law型加盟国で高い信頼性をもって受理されるという特性があります。海外のNotary PublicやSolicitor等への依頼経験がある方は、日本の公証人認証もこれらと同等の国際的な位置づけとご理解いただけます。

Q.
アポスティーユ・Certified Translationの取得にどれくらいの日数がかかりますか?
A.

書類の種類と認証ルートにより異なります。所要日数の目安は以下の通りです。

① 公文書(戸籍謄本・住民票・納税証明書・警察証明書等)
外務省アポスティーユ単独申請:窓口申請で翌開庁日交付、郵送申請で受領から到着まで通常1週間〜10日が目安。

② 私文書(在職証明書・委任状・私立大学卒業証明書・契約書等)
公証役場→法務局→外務省の3段階手続き:通常2〜3週間

③ Certified Translation併用時
翻訳作成・校正に3〜5営業日を加算。

④ シンガポール・香港・フィリピン向けの翻訳者宣誓認証ルート
公証役場での翻訳者宣誓認証を経由するため、米国・英国向けより5〜7営業日程度多く要します。

なお、書類取得(戸籍謄本の市区町村役場発行、警察証明書の各都道府県警発行、卒業証明書の発行機関発行等)の所要日数は別途加算されます。海外提出スケジュールから逆算した取得計画を立てることが重要です。

Q.
海外提出期限が迫っています。特急対応は可能ですか?
A.

開業後(2026年6月1日以降)、特急対応サービスを提供予定です。当事務所は赤坂アントレサロン(港区赤坂)に拠点を置き、外務省(千代田区霞が関)まで直線距離で約2km・タクシー約10分の立地のため、緊急の窓口申請に機動的に対応できる体制を整えています。

特急対応の目標所要日数

・公文書のアポスティーユ取得:当日〜翌営業日
・私文書の3段階認証:5〜7営業日
・Certified Translation併用案件:+2〜3営業日

主たる対応シーン:米国USCIS Premium Processing対応、英国UKVI Priority Service対応、シンガポール永住権申請の最終週対応、海外大学院出願締切対応、海外法人設立期日対応、国際裁判の証拠提出期限対応等。料金体系・受付条件は開業時に公開予定です。

Q.
外務省・公証役場で書類が拒否される代表的な理由は何ですか?
A.

海外関連事業者のFAQで指摘される拒否理由を踏まえ、日本での主な拒否要因は以下の8点です。

① コピーへの直接申請:原本または公証役場での謄本認証が必要。
② 翻訳を先に綴じ込んだ状態での申請:翻訳は認証後に添付するのが原則。
③ ホチキスを外した戸籍謄本:書類の一体性が失われる。
④ 登記事項証明書で公印証明(印鑑証明)を取得していない:登記官印のみでは外務省で受理されない。
⑤ 発行から長期間経過した書類:提出先が3か月・6か月以内を要求するケースが多い。
⑥ 私文書を直接外務省へ申請:公証役場・法務局を経由していない。
⑦ パスポートと書類の名前表記の不一致:ミドルネーム・ローマ字表記の揺れ等。
⑧ 署名・印影が不鮮明な書類・破損した書類:外務省の真正性確認が不能。

当事務所では申請前のチェックリスト確認により、初回申請での承認率を最大化します。書類受領後の事前点検により、再申請による日数ロスを未然に防ぎます。

Q.
電子アポスティーユ(e-Apostille)は日本で利用できますか?
A.

2026年4月時点で、日本の外務省は電子アポスティーユ(e-Apostille)の発行を行っていません。日本のアポスティーユは紙のシール/スタンプ形式での交付のみです。

海外での電子化動向

英国 FCDO:2024年からe-Apostille(QES=Qualified Electronic Signatureによる電子認証)を限定運用。原本書類を必要とするケースとは併用不可。

フィリピン DFA2026年3月16日にASEAN初のフルデジタル化「eApostille」を開始。HCCH e-APP(Electronic Apostille Programme)に対応。

米国・シンガポール・香港:紙のアポスティーユが標準。電子化は限定的。

米国USCIS・英国UKVI・シンガポールICA・香港Immigration Department・フィリピンDFAへの提出においては、現時点では日本発行の紙のアポスティーユでの提出が標準です。提出先機関によっては電子コピーの提出を併せて求められる場合があるため、開業後は紙原本の発送と同時にスキャンPDFを提供する体制を予定しています。

Q.
書類はいつ取得したものまで使えますか?「発行から3か月以内」とは何を意味しますか?
A.

アポスティーユ自体に有効期限はありませんが、提出先機関は原本書類の発行日から提出日までの期間を制限するケースが大半です。「発行から3か月以内」とは、書類の発行日から提出日までが3か月以内であることを求める運用基準を指します。

5か国別の代表的な発行日要件

米国 USCIS:戸籍謄本等は通常「発行から12か月以内」、警察証明書は「発行から15か月以内」が目安。
英国 UKVI:書類により「発行から3か月以内」「発行から6か月以内」が一般的。
シンガポール ICA:永住権・市民権申請の関連書類は「発行から3か月以内」を求める運用。
香港 Immigration Department:「最近のもの(recent)」を要求。実務上は3〜6か月以内が無難。
フィリピン DFA関連:書類の種類により「3か月〜6か月以内」が一般的。

書類の取得タイミングを誤ると、書類の取り直し+再認証で1〜2か月のロスとなるため、提出スケジュールから逆算した取得計画が重要です。当事務所では国別・書類別の最新要件に基づくスケジュール提案を行います。

Q.
アポスティーユは書類の「内容」を保証していますか?
A.

いいえ、アポスティーユは書類の内容を保証するものではありません。 アポスティーユが証明するのは、以下の2点に限定されます。

① 書類に署名・押印した公務員の身分・権限(誰が署名したか、その者が当該行為をする権限を有していたか)

② 印章・署名の真正性(その署名・印章が本物であるか)

これは1961年ハーグ条約第3条および第5条に基づく国際共通の規範であり、日本・米国・英国・シンガポール・香港・フィリピンを含む全加盟国で同一の解釈です。

書類の中身(記載事項の正確性・法的有効性・翻訳の正確性等)は保証されず、提出先機関の判断(受理/拒否、追加書類要求等)にも一切影響しません。アポスティーユ取得後でも、提出先機関が書類の内容に疑義を持った場合は受理を拒否することがあります。このため、提出先要件への適合性をアポスティーユ取得前に確認することが重要です。

Q.
1通のアポスティーユで複数の国に提出できますか?
A.

法的には、1通のアポスティーユでハーグ条約加盟国であれば複数国への提出が可能です。アポスティーユは「特定の提出先国向け」ではなく、ハーグ条約加盟国全体に対する一般的な認証として機能するためです。

ただし実務上は、提出先機関がほぼ例外なく「原本」の提出を要求するため、複数国に同時提出する場合は書類自体を複数通用意し、それぞれにアポスティーユを取得する運用が一般的です。

5か国共通点と相違点

共通点:5か国全てがハーグ条約加盟国のため、原本へのアポスティーユ要件は共通。

相違点:Certified Translationの形式要件が国により異なる。
・米国・英国 → Certification of Translation Accuracyで完結(公証役場不要)
・シンガポール・香港・フィリピン → 公証役場経由の翻訳者宣誓認証ルートが必要

複数国向けの一括対応をご希望の場合は、最も厳格な提出先(通常はシンガポール・香港・フィリピン)の要件に統一する方針が実務的です。当事務所では複数国同時提出のスケジューリングにも対応します。

Q.
古い書類や一部が破損した書類でもアポスティーユは取得できますか?
A.

書類自体に「○年以内」という法的制限はありませんが、実務上は以下の制約があります。

① 破損・汚損が著しく署名・印影が不鮮明な書類
外務省の真正性確認ができないため受理されません。

② 発行機関の印章が現在の様式と異なる旧書類(数十年前の卒業証明書等)
外務省の登録印鑑と照合できず、追加確認に時間を要する場合があります。

③ 改製原戸籍
現行戸籍とは別途の取扱いとなり、提出先要件によっては受理されない場合があります。

書類に問題がある場合は、発行機関に再発行を依頼する方が確実です。私立大学等の卒業証明書は再発行が可能ですが、戸籍謄本については転籍・改製等で原本の構造が変わっている場合があるため、提出先要件と照らし合わせた書類選定が必要です。当事務所では事前の書類チェックを行い、再取得の要否を判断します。

Q.
警察証明書(犯罪経歴証明書/無犯罪証明書)にアポスティーユは取れますか?
A.

はい、可能です。日本の警察証明書(犯罪経歴証明書)は、各都道府県警察本部の鑑識課が発行する公文書のため、外務省で直接アポスティーユを取得できます

5か国別の主な要求場面

米国:USCIS I-485永住申請、配偶者ビザ(CR-1/IR-1)
英国:UKVI Skilled Worker Visa、Spouse Visa、Settlement申請
シンガポール:ICA永住権・就労ビザ・市民権申請
香港:Immigration Department(QMAS/GEP/配偶者ビザ等)
フィリピン:結婚要件、移住手続き、外国人登録(ACR I-Card)等

取得方法:警察証明書は申請者本人による申請が原則で、本人確認書類とパスポート(海外渡航・移住目的の場合)を持参して都道府県警察本部または最寄りの警察署で申請します。発行に通常2〜3週間を要するため、提出スケジュールに余裕をもった申請が必要です。

なお、米国FBI Identity History Summary、英国DBS/ACRO Police Certificate、フィリピンNBI Clearance等の海外発行の警察証明書の認証は当事務所の業務範囲外です(発行国側でのアポスティーユが必要)。

Q.
納税証明書・所得証明書・住民税課税証明書にアポスティーユは取れますか?
A.

はい、可能です。税務署発行の納税証明書(その1〜その4)および市区町村発行の所得証明書・住民税課税証明書はいずれも公文書のため、外務省で直接アポスティーユを取得できます。

主な要求場面

・海外移住・永住権申請の経済的能力証明
・米国USCISのI-864 Affidavit of Support関連書類
・英国UKVI Visa申請の経済要件証明(Maintenance Funds等)
・シンガポールICA・香港Immigration Department等の所得審査
・海外送金時の収入証明、不動産購入時の経済力証明
・海外法人設立時の出資者属性証明

注意点:納税証明書は税務署窓口またはe-Tax経由で取得可能ですが、e-Tax出力の電子納税証明書(PDF形式)にはアポスティーユを直接付与できないケースがあるため、原則として税務署窓口で発行された紙の納税証明書を取得することをお勧めします。市区町村発行の証明書は、本人または委任状を持つ代理人が市区町村役場で取得します。

Q.
アポスティーユ・Certified Translationの需要は今後も拡大していくのですか?
A.

はい、日本政府の公式方針として国際人材交流の拡大が明示されており、それに伴う書類認証需要は構造的に増加していく見込みです。

令和7年6月13日の閣議決定(経済財政運営と改革の基本方針2025/新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025改訂版)では、2033年までに以下の目標が正式化されました。

・外国人留学生受入れ:2024年度33.6万人 → 2033年40万人
・日本人海外留学派遣:2023年度13.6万人 → 2033年50万人
・留学生の国内就職率:2023年度51.6%(達成済み)→ 2033年60%
・中間目標(2030年末):外国人留学生36.5万人(対日直接投資促進プログラム2025)

需要拡大の背景:留学・就労・永住・国際結婚・出生・相続といった人生の節目では、いずれも公文書(戸籍謄本・住民票・卒業証明書・成績証明書・婚姻要件具備証明書・無犯罪証明書・納税証明書等)の海外提出が必要となります。双方向の人材交流が拡大すれば、これらの書類のアポスティーユとCertified Translationの需要も比例して増加します。

5か国への影響:当事務所が完全特化する英語圏5か国(米国・英国・シンガポール・香港・フィリピン)は、対日直接投資促進プログラム2025で重点地域として明示された東南アジアを含み、また米英は大学の世界展開力強化事業の重点交流国となっています。政府の国際交流戦略の中核地域に対応する事務所として、開業後も最新の制度動向を反映したサービスを提供してまいります。

出典:文部科学省「大学の国際化にかかる施策の最新状況」(2025年9月18日)/令和7年閣議決定文書/日本学生支援機構「外国人留学生在籍状況調査」(令和6年度)